執行部に賛成討論原稿を書いてもらう議会があるとは...

 急ぎの仕事が朝のうちに片づいたので、先月22日に閉会した九度山町議会6月議会を振り返る時間を持つことができました。 <br> いろいろと反省点や考えなければいけない点が連綿として出てきました。そのほとんどは、一般質問や議案質疑、討論など議会で行った発言についてです。「議会は言論の府」といわれるように、議会ではすべての問題を言論で決定します。これは議員活動の基本中の基本ですので、当然のこととして議会で行った自らの発言を総括する必要があります。これをしないと議員の仕事に進歩がありません。 <br> いろいろ考えていると、「他議会の6月議会では同様の案件に対してどのような質疑や討論があったのだろう」ということが頭に浮かんできました。ネットで検索してみると、議員のブログやホームページの記事がヒットします。それらを見ている時、たまたま目についた記事にびっくりしました。その記事のタイトル中に「議員に賛成討論のカンニングペーパー」という文字列があるのです。現職のある市議会議員のブログの記事です。 <br> その記事を読んでみると、その市議会では、非公然で市長提案議案の賛成討論文を議員に提供

しているというのです。これには私は大変驚きました。一般質問の質問原稿を答弁する側の執行部が書いている、ということがあることは私は知っています。2007年9月の地方分権改革推進委員会で、元三重県知事・元総務相片山善博さんが、行政と議員が事前にすり合わせした原稿を読み上げるだけの一般質問を「学芸会」と批判したことが有名です。最近では、大阪府議会事務局に、公然と「書き手」と呼ばれる質問作成補助職員が府職員の中から配置されていて、大阪府議の質問を府職員が作成するという問題が、大手マスコミで報じられました。このようなことは、二元代表制の在り方を損ない、議会の独立性を損なう行為で、やめるべきであると私は思っています。 <br> 予算案や条例案などの議案の採決の前に行われる討論で、執行部に賛成の討論原稿を用意してもらい、それを読み上げるというようなことを有権者はどう思うでしょうか?議案に賛成するにしろ、あるいは反対するにしろ、議員自身がしっかりと考えた上で、議員自身の考え・理由をもって討論を行うべきものです。執行部の提案をチェックするのが仕事の議員が、執行部の用意した賛成理由を議場で読み上げ賛

成するようなことは、有権者の不信を買うだけです。議会の存在理由が問われる大問題です。 <br> そもそも、市区町村議会は、住民に代わってその声を行政に反映させ、市区町村の意思を決定する 議事機関です。市区町村では、首長と議会議員はともに直接選挙で選ばれます。首長と議会はともに住民の代表です。これを二元代表制と言います。 二元代表制の在り方は、首長と議会の間のチェックによって首長と議会がバランスを保つことです。 <br> 執行部提案の議案の賛成討論まで執行部が用意するというのは、執行部をチェックする役割の議会を軽視するものです。議会・議員にとっては、執行部をチェックするという議会・議員の役割を放棄するものです。いずれにしても二元代表制の在り方を根本から損なう大問題であることに間違いありません。 <br> ネットで調べてみると、賛成討論の原稿を執行部に用意してもらっているのは上述の市議会だけではないようです。地方議会・議員のことをテーマにした書籍を何冊か持っています。それらの本に目を通してみたのですが、賛成討論を執行部職員に書いてもらっているというようなことは書かれていませ

んでした。しかし、この問題はごく少数の一部の自治体の特殊ケースであるとは思えません。もう少しくわしく調べてみたいと思います。 <br>  <br>  <br>議員必携第10次改訂新版 [ 全国町村議会議長会 ]楽天ブックス全国町村議会議長会 学陽書房ギイン ヒッケイ ゼンコク チョウソン ギカイ ギチョウカイ 発行年月:楽天市場 by <br> <br>